日本海軍巡洋艦VS米海軍巡洋艦ガダルカナル1942 (オスプレイ“対決”シリーズ)
- 作者: マークスティル,Mark Stille,Paul Wright,Howard Gerrard,宮永忠将
- 出版社/メーカー: 大日本絵画
- 発売日: 2010/05
- メディア: 単行本
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個人的な好みで言えば、アメリカの重巡はかっこ悪いと思う。あの、水上機用施設の配置はないわ。つーか、基本的に、アメリカの軍艦って、あんまりかっこよくないような。イギリスの重巡のほうがかっこいい。でも、やはり、日本の巡洋艦の美しさに比べるとな。
アメリカ重巡を一方的に撃沈した第一次ソロモン海戦。漫然と動いていたアメリカ軍に対して、一方的な奇襲となり、夜戦に長けた日本軍のワンサイドゲームになった。逆に、サボ島沖海戦では、油断から、日本海軍側が先制攻撃を受け、完全に主導権を奪われた。そのような展開にしても、アメリカの重巡が四隻失われたのに比べ、日本側の喪失が一隻だから、個艦では、日本側が優位なんじゃなかろうか。結局、ガダルカナルの消耗戦に敗れるわけだが。
4キロとか、7キロくらいの距離での砲戦だと、先に当てたほうが勝ちって感じなのかな。インドネシアでのABDA艦隊との海戦と比べても、命中弾数が桁違いなのが。撃沈された巡洋艦は数十発の砲弾を受け、さらに魚雷も当たっているという。
サボ島沖海戦では、先手を取って、前半一方的にアメリカ軍側が攻撃したにもかかわらず、撃沈したのは古鷹一隻にとどまり、大損害を受けた青葉が脱出に成功しているのは、巡洋艦クラスにとどめを刺すには、魚雷が必要ってことなのだろう。そして、負け戦の中で、衣笠の奮闘。二隻の巡洋艦を離脱させている。
第一次ソロモン海戦で、著者は、第8艦隊をすりつぶしても、輸送艦隊を撃滅するべきだったと指摘している。確かに、後から、戦況を見返すと、それは正しい。重装備を失っていれば、海兵隊といえど、ガダルカナルの確保は難しかっただろう。一方で、日本海軍に回復力がないことを考えると、三川提督が、艦隊の保全を図ったことは、また、合理性があると思う。イタリア海軍が、艦隊保全に走ったように。