サメの話

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研究室に行ってみた。沖縄美ら島財団総合研究センター 軟骨魚類学 佐藤圭一 ナショナルジオグラフィック日本版サイト

第1回 被害数は史上最多に、いま危険なサメが増えている? ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 長期トレンドとして、サメ被害が増えているとはいえないと。目立つようになったのは、動画サイトが普及して、事故の動画が流通するようになったためではないかという。認知状況の変化。
 沖縄には、人間に危害を加える種が、ホホジロザメ、イタチザメ、オオメジロザメの三種類とも通年生息するが、リーフ内でのレジャーが多いのと、サーファーが少ないため、被害が少ないと。
 乱獲で、現在は激減中。比較的深海性のサメの乱獲がひどいと。アイザメ属は肝油のために、特に打撃を受けているそうな。深海性の魚類は、再生産が遅い上に、そもそもどのくらいの個体数かも把握しにくいので、保護が難しい。
 成熟が遅いため、一度減ると回復しにくい。モミジザメにいたっては、成熟に40年という。
 わかっていないことだらけで、研究の核を繁殖様式に絞っていると。サメは繁殖様式のデパートやー

第2回 300匹を妊娠!ジンベエザメの繁殖の謎に迫る ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 ジンベエザメの繁殖の話。つーか、そもそも何もわかっていないという。どこで、どうやって交尾するかもナゾ。妊娠しているサメを見たことある研究者もいないと。
 1995年に台湾で定置網にかかったジンベエザメから300匹の胎児が出てきたのが唯一の事例だそうで。成長段階が、微妙に違う子が胎内にいたと。300匹だと、排卵にも時間がかかると。
 そもそも、サメの研究が、大学の研究サイクルにあっていないと。妊娠しているオンデンザメをサンプリングできるのが、10年がかりだったりする状況。
 まだ、ジンベエザメの研究は希望が持てると。美ら海水族館では、繁殖行動を待っていると。
で、その前段階として、似ているトラフザメを精密に観察中。ホルモンの指標などを探していると。卵の殻をつくってお腹の子宮に送り込むところまでは、すべてのサメで共通。見かけほど、違いは大きくないと。卵黄依存か、母体依存かが重要。

第3回 共食いも胎盤も! サメは「繁殖様式のデパート」 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 沖縄美ら島財団は生態の研究者から生理まで、網羅している世界でもあまりない組織と。
 子宮内の子に対する栄養供給が多様。卵黄からの栄養だけで、ある程度まで成長する種類。ジンベエザメは子宮内で保護しつつ、栄養は卵黄からの供給。
 輸卵管の一部が変化して、「子宮」とみなされる器官になっている種類が多いと。人類とは別経路の子宮。卵を産むタイプのサメでは、輸卵管と称されるのだそうな。
 母体からの栄養供給に依存するタイプも、無精卵を食べるホホジロザメのようなもの。3つの系統でで独自に派生したというのがおもしろい。
 さらに、最初に発生した胎児が受精卵や胚を食べる共食い型。胎盤を作る見かけ上は、哺乳類的なタイプ。卵黄嚢胎盤と子供のほうからつなげるのか。シュモクザメだと、20匹くらい、子宮に詰まっていると。
 エイには、胎内でミルクを飲ませる種類も。

第4回 子どもにミルクやスープを与えるサメがいた! | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 沖縄美ら海水族館では、毎年マンタを繁殖させているってすごいな。で、生まれてくるときには幅180センチ、重さ70キロまで成長している。こうなると、生まれた時点で天敵は限られてくるな。胎内で高栄養のミルクを分泌して、それで成長する。
 ミルクの成分を、きちっとサンプリングするのは難しいか。
 「卵黄依存」のものも、完全に卵黄依存のものはほとんどいないんじゃないかってのがすごいな。子宮の壁からでる粘液のようなものを吸収していると。
 最近、ホホジロザメもミルクを与えているらしいことが明らかになったとか。イタチザメでは子宮に雑多な有機物が混ざったスープのような液体が満たされていて、それを飲んで栄養にしている。
 進化の時間と分布の広さが、目のくらむような繁殖様式の多様性を生んでいるか。おそろしいまでの「沼」っぷりがすごいな…

第5回 海に憧れた少年がサメ博士になるまでとこれから | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 美ら海水族館が、水族館の社会的使命というべき研究体制をきっちりつくっているのが、良いね。博士持ちの研究者が9人か。フィールドワークよりも、水族館の方が、生きた状態の観察研究がしやすい。繁殖生理の研究と飼育下繁殖が車の両輪で、知見を増やすか。
 生息数やどの程度の保護が必要なのか、基本的な情報として貢献する。資源量の今後を考えるのに重要と。いままで、生態がわからない状況で、フリーダムに漁獲されていたのが、変わってくるかも。
 サメの子宮内での酸素の供給をどうしているのかという問題に取り組んでいる研究者の方へのインタビューも。胎盤を持たない種類ではどうやっているか、確かにナゾ。
 マンタのエコー調査で、子宮内の液体に溶け込んでいる酸素をエラ呼吸していると。物理モデルを作って研究したところでは、3割しか供給できていない。羊水を取り替えているのではないかと推測と。
 栄養と酸素、老廃物をどう処理しているかがわかれば、ある程度育った胎児を人工的に育てることもできるようになるか…