東龍之助『エイルン・ラストコード：架空世界より戦場へ』

エイルン・ラストコード ~架空世界より戦場へ~ (MF文庫J)

　うん、おもしろかった。
　「マリス」と呼ばれる人間を捕食する生命体の攻勢の前に、「ヘキサ」と呼ばれる優先的に狙われる子供たちを囮に、「ネイバー」という兵器を使って対抗していた。ヘキサを集めた学園、氷室義塾とそれが存在する第弐富士は、マリスの攻勢の前に危機にあった。ネイバーを操る少女が倒されたとき、思いもしない救いの手が…
　なんか、エイルンが無双する話かと思ったら、そうでもない感じだったな。いや、無双はしているけど。唐突に異世界に放り込まれ、自分たちの生きてきた世界が絵空事と寄ってたかって否定され、心が折れた少年。彼が、守るべきものを、再び見出すまで。立派にヒーローだな。
　とりあえず、いろいろとロボットが活躍するのが楽しい。スパロボよりのネイバー・デストブルムやエイルンのエルフィーナ。兵器よりの戦騎装。戦闘機形態から、車両形態、そして最後は女性型の格闘戦仕様ロボットに変形とか、すばらしい。
　しかし、誰かが送り込んでいるらしきネイバーやエイルンたち。「ドール・ワルツ・レクイエム」の正体不明の原作者。マリスがなぜ発生したのか。いろいろと謎が。