「もやもや」を大事に――災害から参議院選挙を考える - 永松伸吾 - 災害経済学 SYNODOS -シノドス-

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 これは、大人でも「もやもや」する問題だな。
 個人的には、集団移転って手段があまり好ましくないと思う。災害前に、時間をかけて調整してならともかく、震災後のパニックの中で拙速に実施するのは愚策。すったもんだしているあいだに、地域の活力がなくなる。とりあえず、元に戻すのが大事。
 そもそも、完全に景観も人間関係も変わってしまったら、「ふるさと」じゃなくなる。そうなれば、都会の方が住みやすいとなりかねない。
 そして、災害をだしにした、政敵攻撃の話。災害に関して、緊急事態条項が必要って、巨大隕石が太平洋に落下レベルの災害にしか必要じゃないよなあ。だいたいの災害は、緊急事態条項が有効に使えるような、事前の兆候はないし。東日本大震災でも、緊急事態条項がなければ解決できなかった問題はなかったと。熊本地震でも、「プッシュ型」は、あまり有効に機能しなかったしな。現地で分配する態勢が整わないと、逆に混乱のもと。ラストワンマイル。
 老朽インフラの改善という自民の提案は、重要と。
 しかし、消去法で消していったら、一つも残らないような…

それから12年後の2007年に行われた東京都知事選挙で3選を果たした石原慎太郎氏は「阪神・淡路大震災では知事の判断が遅かったから3000人余計に死んだ、自分が知事ならそういったことはない」といった趣旨の発言をしました。

 こんなこと言ってたんか。ほんと、人間としてアレだな。アレを何度も当選させた東京人の理性のレベルを信用していない。

こういった事情を考慮すると、「緊急事態条項」設置は、私には、将来もっと大きな憲法改正を狙う人々が、比較的「国民合意」が取りやすいと思われる災害の問題に絞って、憲法改正の実績を作ろうとしているようにしか感じられないのです。先ほどの東京都知事選の例と同じように、まさしく「災害」の政治利用です。