瀬尾つかさ『ワールド・イズ・コンティニュー』

 長い物語の序章といった感じだな。
 前作『スカイ・ワールド』に続いて、異世界召喚モノ。魔物が闊歩する世界フルシエラ。7つの異世界から召喚された人々は、「闘神の使徒」として魔物と戦い、人間の生存権を広げることになる。 
 地球から召喚された三矢家浩史は、最速でレベル100に達し、闘神との面会を果たすために、封鎖された森へ赴く。そこには、外に出ることができなくなっていた闘神の使徒の女の子がいて。
 一応、レベル100になったけど、肝心な情報は全然開示されていない感じか。マリエがどういう役割を果たしていたのか。なぜ、他世界の人間を召喚することにしたのかなどなど。


 キャラの構図としては、「ぼくは異世界で付与魔法と召喚魔法を天秤にかける」と似た感じかな。絶体絶命の中で出会う。主人公側が師として女の子を導く。主人公が後衛とか。一方で、無限復活と即死というあたりで、ずいぶん差があるけど。
 闘神の使徒は、スキルとクラスを手にいれ高い戦闘力を持ち、不老となり、何度死んでも生き返る。無限復活で物語の緊張感が薄れるのではないかと、編集部が反対したそうだが、試行錯誤で心が折れると「自壊死」で死んでしまうという設定。そして、いったん入るとボスを倒すまで脱出できない森で、やたらと強力なモンスターが跋扈する。過去、モンスターに歯が立たず、50人からの闘神の使徒が自壊死したという舞台設定が、良い感じで緊張感をもたらしているな。前半、主人公も死にまくりだし。
 無限に試行錯誤できるから、逆に保守的になって、進行が遅れるか。


 「商売上手な桃子さん」なるキャラクターが出てきたが、それって、あの出番イーターさんのことなのだろうか。同一人物なのか、似ているだけなのか、並行存在なのか。つーか、同一人物なら召喚されやすい人なのかね。