『世界の艦船』2016/12号

世界の艦船 2016年 12 月号 [雑誌]

世界の艦船 2016年 12 月号 [雑誌]

 今月号は、アメリカの新空母フォード特集。先進着艦拘束装置(AAG)の開発がいまだに難航しているとかで、戦力化が遅れているそうな。電磁カタパルトに電磁式兵装エレベーターも、まだいろいろとトラブル含みだそうで。さらに、デュアルバンドレーダーも、調達に問題が出てきていたり、ガタガタだな。最近、米海軍の新型艦建造は、いい話がない。ズムウォルト級とか、LCSとか。退役した通常動力空母に搭載して、ぶっ壊すところまで実験するくらいの慎重さが必要だったのではなかろうか。
 海外艦艇ニュースのLCSがらみの発表も興味深い。4番艦までを戦力から外して実験艦にする。ミッションパッケージ方式を諦める。戦隊の固定。いろいろと運用を変える模様。ミッションパッケージ方式は、デンマーク海軍辺りが小規模に試みていたけど、結局、固定方式になっているみたいだし、無理があるのだろうな。


 韓進海運関係の記事も興味深い。一応、資産の保全は行われて、船は釜山に集まっているのか。マースクあたりに買収されるか、優良資産を現代海運が買収してスカスカになるか。そういう未来。
 上位のTEUとか、アライアンスの再編の記事が有用、何日か前に、日本の船社が、コンテナ事業の統合を発表したけど、それでも5位にしかならないのか。コンテナのアライアンス、日本勢も参加する「ザ・アライアンス」の弱者連合ぶりが泣ける。で、韓進海運が抜ける泣きっ面に蜂情態。一方で上位二強による「2M」、3-5位が連合する「オーシャン・アライアンス」が強そう。


 民間船のニュースで、「カーニバルが中国で13万トン級を新造」という記事も、最近、三菱が大型客船からの撤退を表明しただけに印象深い。高付加価値船の建造でも、中国に抜かれていく可能性が高そうだな。設計は、ヨーロッパが握り続けるようではあるが。


 写真では、118ページからの台湾のコーストガードと海軍の共同訓練の記事がおもしろい。つーか、不審船役の木造漁船が、いかにも伝統的な船舶といった面構えで、萌える。機帆船か、これ。