おがきちか『Landreaall 1-28』

 久しぶりに、腐海から召喚に成功したので、思わず一気読み。地震以降、取り出せないところに埋まっていて、困っていた。このシリーズ、新刊だけ読んでも、話が見えなくなるからなあ。特に、20巻以降。
 ここにきて、ドーンといろいろな流れが集まってきたな。クエンティンの「抱きつき癖」って、呪いかけてまわってたのか。19年越しのアルトニア国家破壊のもくろみに対し、いろいろな人の思いが重なって対抗したと。前国王がらみの醜聞。心を病んだ国王と失踪したその王女、ザンドリオの破壊、ユージェニ王女の出生の秘密といった核心部分は、この事件を通して清算されたと考えていいのかな。リドの竜創チャームとか、細かいところで、いろいろとつながっているなあ。
 結局のところ、ただリルアーナ王女に代わって王座を「奪回」したかったユージェニにしても、ただ壊したかっただけのクエンティンにしても、「未来」に対してポジティブなものではなかったと。多くの人の力で積みあげていこうというのが、基本的なテーマだよなあ。
 一方で、まだまだ波乱はありそう。
 ファラオン卿は、高齢かつ子孫がいないから、様々な勢力の妥協として王位につけることができた。そこに、孫のロビンという爆弾が放り込まれたわけで。王制派と反王制派との対立が次のテーマになるのかな。


 とりあえず、一気読みすると、一ケタ台の頃の雰囲気はずいぶん牧歌的だなあと。いきなり、命を狙われたりとかしているわけだけど。悪友の悪ふざけといった感じが濃厚。
 そこから、DXのウルファネア行きとアカデミーがスピンドルに襲われるアカデミー騎士団編で、物語のフレームが大きくなって、クエンティンが出てきたあたりからアルトニアの「王」が正面に出てくる。
 18-20巻あたりの馬上槍試合大会で、DXとメイアンディアの恋。さらに、ロビンの父親、ローハルト卿さがしから、きな臭い陰謀が垣間見える。で、クエンティンの復讐が動き出すクレッサール編が23巻あたりから、長らく続いて、とりあえず終わりが見えたのかな。


 たまに一気読みすると、楽しい。