- 作者: 柴山元彦
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2016/07/25
- メディア: 単行本
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いろいろと、断層に特徴的な地形というのは、わかってくるな。長野県大鹿村を通る、赤石断層なんかが代表的事例だけど、途中で峠に区分されながら、まっすぐ続く谷は、断層によって形成された可能性が高い。そして、そこを道路が通じていると。ここを通る、国道152号線は、途中で道がなくなる酷道として有名なルートだけど。徳島県の吉野川の谷や、滋賀県の安曇川の谷なんかも、この例だな。
平野の際は、だいたい断層がある。横ずれ断層では、川が横ずれで垂直に曲げられている事例が多い。尾根が断層で断ち切られて、切離された地形を、谷部分をケルンコル、山地部分をケルンバットというそうだ。立田山断層によって、金峰山から切離された熊本駅北西の花岡山・万日山、その隣の独鈷山などは、まさにこの地形だな。断層を伝って熱水があがってくるため、断層沿いには温泉地が多いという話も興味深い。カルデラ壁の内側も、断層になるのだな。
コラムもおもしろい。中央構造線が、2000万年前に活動し、低角度で痕跡が分かりにくい断層と、より新しい高角度で痕跡が明瞭に残る2種類の断層からなっている。あるいは、フォッサマグナが、シベリアや北極を横切り大西洋の中央海嶺まで続いているとか。