- 作者: 吉村生,高山英男
- 出版社/メーカー: 柏書房
- 発売日: 2015/06/25
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (4件) を見る
個人的には、やはり、土地を「後から」見られるのがおもしろいというところかな。あとは、土地の成り立ちや変化の手がかり、宝探しみたいなおもしろさもある。
暗渠を調べるには、やはり役所で下水道の地図をゲットするのが、基本なのかな。
境界としての河川・暗渠や湧水の項が興味深かった。
意外と境界線に跡を留める。
かつては、丘陵部では湧水がたくさんあったのに、今はほとんど枯れてしまっているというのは、やはり都市化の影響なのだろうか。そもそも、ああいう場所に現れる湧水は、かなり表層に近そうだけど、それだけに地表面の状況に影響されやすいのかね。あと、灌漑用水としては、玉川上水から補水しなければ、安定して使えなかったようだけど。
東京以外の暗渠を追っているのもおもしろい。埼玉の藤右衛門川は、Togetterかなにかで見かけたな。神戸の「地下河川」というのが、土建神戸らしいというか。あと、船橋周辺の砂州と小河川も興味深い。
ガソリンスタンドもこのカテゴリーに入れているが、こちらは排水ではなく排「電」で、電気を逃がすほうだ。ガソリンスタンド建設には、敷地の土壌に静電気など、火災の引き金となる電気が一定以上留まらないように、電気の逃がしやすさを担保するためのアース工事が必要だが、土中の水分含有が多いほうが、工事がしやすくなるという。p.65
へえ。
暗渠の側によく見られる施設の一つとして、ガソリンスタンドがあるが、それには理由があったと。静電気をアースするには、湿潤な土地の方が良いと。