苦悶するEU――統合の必要性とジレンマ / 『欧州複合危機』著者、遠藤乾氏インタビュー | SYNODOS -シノドス-

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 中途半端な状態にあると。かといって、統合を推進する「正当性」に乏しいか。確かに、民主政治のプロセスが、EUの枠組みではできあがっていないよなあ。つーか、性急に拡大しすぎた側面はあるよなあ。
 それでも、ドイツをヨーロッパの秩序に組み込む機構として、唯一無二であり、必要性は消えていないと。やはり、一国で行使できない影響力は大きい。けど、一般市民に恩恵を届ける必要があると。やっぱり、問題はドイツか。
 あとは、西洋近代の理念をハックして、悪用するジハーディストの問題。

そうですね。 ドイツ発の緊縮経済がデフレスパイラルを引きおこし、失業や雇用不安を生み、実質所得が増えず、中間層が没落して、穏健政党が沈み、結果としてEU支持勢力が先細るというプロセスで、先が見えない状態です。

 過去の成功体験があって、財政支出の拡大に踏み出せない。また、そのような危機の発信源としての自覚に乏しいか。