奇水『ご近所の殴りクレリック:戦鬼ウルスラの後悔』

 表題に惹かれて購入。
 戦争が終わって、仕事にあぶれ、新大陸に流れてきた剣匠アルナルド。かつて所属した部隊を壊滅させ、自らも追われる一方だった、魔導兵士ウルスラと再会する。しかし、無表情に殺戮を行っていた頃とは変わって、筋力に入れ込む修道女になっていた。
 戦乱の中で、何度も死闘を繰り返したアルナルド、ウルスラ、そして魔術師ファウスタの三人が再会し、奇妙な友情を育むことに。
 なんか、雰囲気いいな。互いに死力をつくして戦った相手だからこその、信頼感みたいな感じ。殺し合いにならない、微妙なゆるさ。もう少し、マエストロが戦闘シーンで活躍して欲しかったところだが。


 「武の行き着く処は愛である」か。互いの出方の読みあいを重視する戦い方なら、相手を理解する=愛ではあるのかねえ。