「土佐の龍馬、肥後の小楠」展

 高知県立坂本龍馬記念館がリニューアルで休館中に、収蔵品を他所に貸し出しってことなのかね。坂本竜馬の資料に加えて、熊本の思想家横井小楠の新出書簡をメインとした横井小楠の書簡の展示。手書きのくずし字はほとんど読めないので、結局、釈文だより。あと、やはり、ずっと古文書見ていると、脳が疲れますね。
 坂本竜馬の史料って、意外に残っているのだな。乙女さんが、書簡を大量に保存してくれていたってのが大きそうだけど。長州や薩摩の武士は、保存していなかったのかね。
 横井小楠の書簡も興味深いな。江戸や九州各藩との知識人同志のネットワークがあったんだな。岡藩、柳川藩佐賀藩などの学者とやり取りし、外交に関する提言をしようとする。あるいは、技術情報のやり取り。一方で、長州や薩摩との人脈は持っていなかった感じだな。南関の鉄砲生産を、積極的に支援していて、佐賀から技術情報を得ていたり。長崎で外交交渉をしようとしていたロシアを「道理にあう」と高く評価し、アメリカを低く評価していたが、中国からの地理書でアメリカの記述を見て、見解をコロッと変えてみたり。いろいろとおもしろい。
 甥の横井太平と左平太のアメリカ留学の話も興味深いな。左平太が最初にアナポリスで学んだ日本人か。両者とも、結局は早死にして、活躍していないけど。