雨木シュウスケ『クラウン・オブ・リザードマン:少年は人の身を捨て復讐を誓う』

 最近よくある、バーチャル世界に潜る系ゲームのお話。サクサクと読めて、普通におもしろかった。なんというか、主人公が、敵に回ったように見せかけながら、弟子を鍛えるポジションだな。あと、この人ら、これだけゲームに潜っていると、リアルの生活はどうなっているんだろう。


 バーチャル・ネットRPG「C.R.O.W.N.」。そのベータテストで、圧倒的な技量を発揮した主人公は、その技量ゆえに、チートの冤罪をかけられ、アカウントを凍結されてしまう。失われたものとプロゲーマーになる夢を取り戻すため、怪しげなメールの誘いに乗る。
 一方で、モンスター軍団のトップとして、一方で正体を隠して使い魔としてアロンフォリス騎士団で活動する二重活動。わけもわからないまま、ユイオンという怪しい存在に導かれて、アロンフォリス騎士団の内情を探る。
 とりあえず、ユイオンさんが、いいな。徐々に人間味を増していくところが。


 干されかけていたところから、アロンフォリス騎士団の団長になったアルテナが、今後どうなるかも気になるところ。