枯野瑛『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? ♯01』

 前シリーズの「すかすか」からは5年後。前作では、成体になるか、ならないかだったティアット、ラキシュ、パニバル、コロンがメインに。「獣」の取り扱いの失敗か何かで、エルピス集商国は獣に飲み込まれて滅び、38番島も同様になっている。
 全シリーズ末の陰謀の首謀者の義弟で、それによって素直に歪んだ主人公。あんまり嘘がうまくない堕鬼種の少年。ヒロインは、クトリを目指して頑張りつつ、そこまで行き着けないでやさぐれて、ツンデレキャラとなったティアット。二人が出会い、ケンカ友達になっていく展開。やはり、人間に許されないレベルで一直線キャラだった、ヴィレムと比べると、戦闘力の差はいかんともしがたい感じだな。
 とりあえず、主人公のフェオドールは、なにか陰謀を企んでいるようだけど、具体的に何を準備しているかは4巻に至っても、よく分からないなあ。


 基本はボーイミーツガール。いがみ合う二人が、恋仲にというのは、王道路線だな。英雄的な死を望む妖精たちと、それに頼るのを良しとしない少年か。最終的に、切り札の大型飛空艇に仕掛けられた「十一番目の獣」への対処を巡って、二人は直接対決すると。
 四人娘がそれぞれ、成長しつつ、らしいのが良いね。なんか、いろいろと見渡している感じのパニパルが印象的。