谷甲州『航空宇宙軍史:完全版1:カリスト−開戦前夜−/タナトス戦闘団』

 大幅に改稿された、航空宇宙軍史の新版。買おう買おうと思いつつ、のびのびになっていたもの。この巻は、第一次外惑星動乱への動きをカリスト軍中枢部の視点から描いた長編と、開戦時のタナトス戦闘団による月の工場施設破壊作戦にいたる話。
 タナトス戦闘団の幹部って、航空宇宙軍史でも、連続して出てくる希な登場人物だよなあ。あと、航空宇宙軍の中枢部のブラックボックス具合も。誰が意思決定してるんだろう。
 しかしまあ、カリストの方針を巡る争いは、あるあるだよなあ。戦争したくないのに、結局戦争にもつれ込んでしまう。
 タナトス戦闘団の諜報戦もおもしろい。