- 作者: 甲田学人,ふゆの春秋
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/08/10
- メディア: 文庫
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前の巻が、心霊事件と瞳佳の体質を巡る推理小説的な性格が強いのに比べると、この巻は、世界を広げてきた感じか。霊能者を巡る百合谷市の有力者暗闘。そして、銀鈴学院がオカルトに親和的な理由が、霊能力者をリザーブしておく場であるからと。三人の学年総代が、これまた誰も好感持てないのがすばらしい。
あまりに強力な「ロザリアの棺」は、様々な勢力の争奪の対象と。そりゃまあ、あっさりと呪殺を達成できる呪具だしな。つまりは、いくつもの、箱が入れ子状になっているということなのか。
つーか、真央、復讐に親戚を喰わせたのか…
人間関係が救いようがないのも、特徴だな。
家族が檻というか。無理やり、好きでもないテニスを強制され、テニス部ではパワハラ監督に怒鳴られる。自然、自尊心も摩滅していく。一人交霊会で、憑かれて自信を得たが、友達が必死に元に戻そうとする。しかし、それは、同じところにまた引きずりおろそうとする意識もあって。まあ、友達関係ってそういうものかもしれないが。
思い込みの激しすぎる和歌の方が、まともってのも。
そして、首吊りで、テニスが上達したという噂が、次の展開をもたらすのだろうな。