七条剛『レーゼンシア帝国繁栄紀:通りすがりの賢帝』

レーゼンシア帝国繁栄紀 ~通りすがりの賢帝~ (GA文庫)

レーゼンシア帝国繁栄紀 ~通りすがりの賢帝~ (GA文庫)

 微妙に話のテンポは悪い気がするが、作品の雰囲気は結構好きだな。主人公が置かれた状況に関する説明が不足しすぎている感が。
 未成年で教員資格を獲得した秀才で、田舎出の苦学生のシュウは、不思議なアルバイト募集の張り紙を見て、皇帝の影武者にされてしまう。本当は女性だった「皇太子」に代わり、政務を処理していくことに。
 隣国であり、最近まで戦争をしていたフルド公国との戦争の危機を回避し、公国から許婚候補として送られてきたリレアと仲を深める。
 しかい、シュウを影身者に仕立てたユーリスには、まだ、思惑がありそうだな。実際に皇帝にするつもりなんじゃなかろうか。あと、ちょくちょくハーレムという語が。


 細かいところをつくじるのはなんだけど、ファンタジー世界で、既製服のチェーン店はちょっと違和感が大きすぎる。手織りの時代には、布って、ものすごく高かったのだが。まともな服は、一財産で、店を維持できるほど買い手がこないんじゃなかろうか。