『世界の艦船』2017/9号

世界の艦船 2017年 09 月号 [雑誌]

世界の艦船 2017年 09 月号 [雑誌]

 新しい号より、読み終わるのが後になってしまった。
 この号は、北朝鮮問題とダメージコントロールの特集二本立て。北朝鮮問題は、6月くらいの情勢。つーか、ここにきて、北朝鮮の行動のペースが落ちているのはなぜなんだろうな。日本の選挙をにらんでってことは、なかろうし。いや、意外と注視しているのかな。


 北朝鮮の軍備、全体的に旧式で劣悪なんだけど、ここぞというところに嫌な装備を配しているな。ソウル破壊とか、弾道ミサイルあたりは、元から誇示している感があるが、対艦ミサイルなんかも、その口だな。比較的新しいKh-35系ミサイル、視程外を移動する空母機動部隊には無力だろうけど、上陸作戦など、自ら陸地に近づく作戦を行う場合には、脅威になりそう。移動式の発射台に載せて、しっかりと隠蔽されていれば、思わぬ奇襲を喰らうことになるだろう。
 あと、やはり、弾道ミサイルを迎撃するのは、なかなか難しいのだなと。迎撃するほうに、何倍も金がかかる。問題は、北朝鮮がどの程度の飽和攻撃能力を持っているか。核弾頭をどれくらい乗っけられるか。これから、北朝鮮が核攻撃能力を向上させていくと考えると、今が予防戦争をするとすれば、最後のチャンスくらいだよなあ。


 特集二つ目は、ダメージコントロール自衛隊アメリカ式を取り入れていると。あとは、自動化の進展とか。それでも、ダメコンは、人力が物を言うと。
 想定されるのは、火災と浸水。それぞれに、備えがある。贅沢を言えば、具体的な事例を紹介して欲しかったかな。新しいところでは、DDHしらねのCIC火災で、どのように消火活動が行われ、自力で鎮火できなかった理由。あるいは、それと近接して起こったくらまの衝突事故とか。
 フィッツジェラルドの事故の記事も載っているが、結局、フィッツジェラルド側の見張りが不十分であったというのが、原因ということになりそうだな。


 個別の記事では、アメリカ海軍の350隻増勢には、相当時間がかかりそうという話。ここのところの太平洋艦隊の事故の連続を見ると、整備とか訓練が本当に大事なんだなと。連載「現代の潜水艦」は、原子炉とリッコーヴァーの話や推進器。「第2次大戦 海戦と軍人」は、仮装巡洋艦ラワルピンディが、グナイゼナウシャルンホルストに一方的に撃沈されたフェロー諸島海戦。適当なところで降伏しても良かったんじゃねと思うが…


 写真では、ダメコン特集の古い船がいいね。あと、バルトップス2017年に出てくるベルギー海軍の支援艦ゴデチア。弱そうなO.H.ペリー級みたいな外見だなと。