『世界の艦船』2017/12号

世界の艦船 2017年 12 月号 [雑誌]

世界の艦船 2017年 12 月号 [雑誌]

 特集はアメリカの新空母フォードとイギリスの新空母エリザベスについて。どちらも、戦力化には、しばらくかかりそうな雰囲気だな。後者は、搭載機のF-35Bが揃うかどうかが問題だが、後者は機器の信頼性の問題だから長引きそう。しかし、フォード級の話は、昨年の12号、今年の空母特集と、割と頻繁に取り上げられているので、少々食傷気味。いや、それだけ、将来的に重要な役割を果たす艦なのは、分かっているが。


 フォードは、電磁カタパルト、先進着艦拘束装置、デュアルバンド・レーダーが不調と。これ、ものになるのかね。まあ、この規模のプロジェクトだと、失敗は許されないから、無理にでも何とかするんだろうけど。
 蒸気カタパルトの開発でも、こういう信頼性をめぐる問題はあったのだろうか。新機軸には、不具合は付き物とは言え。


 エリザベスのほうは、統合電気推進と、F-35Bがモノになるか次第といった感じか。45型駆逐艦のWR-21ガスタービンが、複雑すぎて問題を起こしたので、MT-30を搭載したとか。あと、電気推進だと、機関配置に融通が利いて、艦橋下のスポンソンに装備されているという話もあるとか。


 連載は、いつもどおり。
 潜水艦は、対魚雷戦。ハードキルの兵器は、小さいといえども魚雷なので、高価かつスペースを食うので、今のところ潜水艦には装備されていない。魚雷のセンサーを撹乱し、エネルギーを使い果たさせるソフトキルには、雑音を発するジャマーや囮が存在するが、魚雷側の対抗能力も上昇している。新しくフランスDCN社が開発したカントーが紹介されている。雑音と同時に、偽反響音を発する。それによって、魚雷のセンサーを混乱させると。これ、後で本にまとまるのかな。
 第二次世界大戦の海戦連載は、ビスマルクが撃沈されたラインユーブング作戦。イギリスの南に来たところで、航空機の援護は期待できなかったのかね。とろい飛行機でも、ソードフィッシュの雷撃くらいは、妨害できそうなものだけど。


 写真ページは、LCACの整備基地が興味深い。丸ごとクレーンで持ち上げて整備施設の中に運んだり、腐食防止のための洗浄装置があったり。エンジンの試運転施設とか。
 あとは、海軍経理学校の写真やオーストラリア艦隊など。アデレード級はESSMのVLSが付け加わっていて、アンザック級はいつ見ても無理やり感満載な塔型マストが印象的だったり。ドイツの海防戦艦ハーゲンも印象的。
 民間船では、やたらとブルワークが高いKDDIの新ケーブル敷設船のイメージ画像。やたらとでかい屋形船といった風情のガンツウなど。