- 作者: 水野良,深遊
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/09/20
- メディア: 文庫
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つーか、テオとシルーカ、仲良くなっているなあ。あんまり色っぽくないのも確かだけど。相変わらず、シルーカの役割は、テオのブレーンだし。
混沌を滅ぼすと誓い、自力で聖印を作り上げたレオン。強大な投影体フェンリルとの戦いで、その可能性を見て取り、極大混沌によって人類が滅びに瀕している状況で、混沌レベルを落とすため、秩序の時代の接近を承知しながら君主制度を形成した魔法師協会の始祖ミケイロ。そして、フェンリル退治に参加したさまざまな人々に妖精ティターニアといったまわりを固める人々が印象的。
昔のヒロイックファンタジー的なマッチョキャラなレオンさん。
第2章は、テオの天下統一の流れを作った大工房同盟の盟主ユルゲン・クライシェ。この時点で、権力の集中が起きていて、秩序の時代の出現は時間の問題だった。しかし、魔法師協会の陰謀によるアルトゥーク伯の反乱と、「家族の危機」に取り乱したユルゲン、そして、それに怒ったノルドの王ビョルンのユルゲン殺害で、統一の時期は遅れる。
大工房同盟の「大工房」って、同盟結成の場だったわけね。自力で、エーラムに独占されていた製造業を振興する場だった、と。
そして、大工房同盟の攻勢の前に、新たに西方で結集したのが幻想詩連合。大陸統一の機運は、どこでも、盛り上がりつつあった。
最後は、プリシラの父親、聖印教会の教祖、エルネスト・ファルネーゼのお話。先を予言する力を欲していたとか、プリシラが生まれたときの話とか。うーん、そもそも、聖印教会と「聖杯」が物語にうまくはまっていなかったように感じるんだよなあ。それだけに、この章も、なんか、こう、物足りない感じが。エルネストがどこまで「予見」していたから、意図的にぼかしているのだろうけど。