荻原規子『RDG6 レッドデータガール:星降る夜に願うこと』

 エピローグっぽくもあり、ここが肝心といった感じでもあり。学校内の争いから、一気に視野が広がる。「世界遺産」という国際的な問題や泉水子の将来の問題などなど。


 学園祭の決戦後、一休みからの、高柳の巻き返し作戦。再度の勝負でも、泉水子は、高柳を完封する。その上で、高柳を表に立てて、自身は隠れる、「チーム姫神」の形成を提案する。高校の三年間を、とりあえず、平穏に生きることを選ぶ。
 泉水子の、普通の学生生活を送りたいという望みが、具体化する。一方で、深行と泉水子の関係はなかなか進展せず。学園祭直後に一時深行が検査にいったり、海外留学の話が出てきたときの泉水子のうろたえぶりが印象的。深行がいてこその、学園生活か。
 というか、深行って、本当にツンデレキャラだよなあ。最終的に、自分からキスするところまで持っていったけど、もう、二学期にはかなり泉水子に落ちてたよなあ。それでも、態度は、けっこう厳しいという。


 「チーム姫神」でまとまることが決まっても、まだまだ、いろいろとトラブルが。試験後のクリスマス・パーティでは、外部からの介入に、泉水子の閉所恐怖症が重なって、なにやらとんでもないものが出現したり。
 あるいは、クリスマスに、泉水子が誘拐されかけたり。信頼している人物から裏切られるのはつらいな。
 なかなか、前途多難な中、とりあえず、深行と泉水子の関係だけは、固まった。