神坂一『スレイヤーズすぺしゃる1:白魔術都市の王子』

 本編を読んで、短編も読みたくなったので、借りてきた。いまから、自前で揃えるとなると、30冊ほどになって、置き場所に困るし。アマゾンで中古買うのは、ちょっと躊躇するところがあるし。


 ファンタジーの小説を求めて、手を広げまくって、出会ったんだよなあ。ドラゴンマガジンに手を伸ばし始めた頃に、これも連載が始まった。つーか、最初の頃は、1、2ヶ月おき掲載だったんだ。
 やはり、最初の「白魔術都市の王子」の衝撃はでかいよなあ。今どき、中高年王子は、それこそたくさんいるけど。「山賊と見紛うむさいおっさん」で、ラストが「平和主義者クラッシュ」に「人畜無害キック」と来るのが。
 一般的なイメージとのギャップで笑わすのが、神坂一の特徴だが、その特徴が最初の作品から現れている。


 他に、「りべんじゃあ。」、「ロバーズ・キラー」、「ナーガの挑戦」、「エルシアの城」と連載作4編に、書き下ろしで、珍しく三人称形式の「悪役ファイト!」が収録されている。
 「りべんじゃあ。」は、突然、「兄の仇」と攻撃されたところから始まるお話。復讐を行おうとするのが、若い娘なので、一見正義に見えるがというところが肝か。復讐の対象である「千の偽名を持つ男」が強烈過ぎるお話。


 「ロバーズ・キラー」は、犯罪組織の頭になった幼馴染を討とうとする女性に依頼され、援護するリナ。最終的に、リナが徹底的にアジトを破壊して、頭をうやむやのうちに、犯罪から抜けさせる。心臓病で、仕事中に一人突然死する暗殺者、ゾーレス五兄弟が、これまた印象に残るw


 「ナーガの挑戦」は、その後も、リナの金魚のふんとなるナーガ初登場のお話。ナーガの自滅がすごすぎる。というか、凄まじい生命力だよなあ。自分で放火した火災に巻き込まれたり、自分の魔法で折った木が倒れてきたり。


 「エルシアの城」は、魔術師に奪われた城の奪回を依頼されたリナとナーガ。しかし、リナがドラグ・スレイブで城を吹っ飛ばしたことから、別の城の確保を迫られることに。で、アンデッド使いの魔法使いの城を奪うことに。しかし、当の魔術師は、アンデッドの群れの中で、一人寂しく病死しいていたという。
 結局、その城も、大暴れしたリナとナーガの魔法のせいで倒壊という…


 最後は、三人称形式。リナに攻撃される犯罪組織の側からのお話。ほとんど自然災害扱いなのがw
 あとは、護衛の依頼人のミーナが、なかなか強烈なキャラ。