神坂一『スレイヤーズすぺしゃる14:ホーンテッド・ナイト?』

 8冊目。一巻飛んで、14巻。市立図書館、なんで、こんな中途半端な入れ方してるんだろう。
 「忍び寄る闇」、「遠き日の決着」、「ホーンテッド・ナイト?」がそれぞれ、前後編で。書き下ろしが、「忍び寄る闇」の続きの「ビースト・ストライク」。


 一話目「忍び寄る闇」は、貴族の令嬢が襲われている場面にリナが首をつっこんだところから始まるお話。護衛の騎士はすぐ逃げるわ、お嬢様はすぐ叫びだすわ、敵はヨーロッパ風妖怪のコスプレ暗殺結社「トワイライト・イリュージョン」。しかし、こいつら、「形から入る」基本理念で戦闘能力がない人間を送り付けたり、暗殺相手間違ったり。なかなか、間抜けな敵だ。戦闘力はそれなりにあるのにw
 後編冒頭、氷漬けにされて連れて行かれたナーガの復活シーンは憶えてた。「うわ出たぁぁぁぁぁぁっ!」の叫び声が印象に残る。


 「遠き日の決着」は、子供の頃にリナにひどい目にあった男が、仕返しをして自分を取り戻そうとする話。犯罪結社を作ったということで略奪もできて一石二鳥と男の拠点に向うリナ。しかし、その犯罪結社は人畜無害な葬儀屋のふりをしていて、リナは村人に追い回される羽目になる。


 最後の「ホーンテッド・ナイト?」は、盗賊退治の最中に天候の急変に見舞われたリナは、怪しげな館に雨宿りと宿泊を乞うことになる。怪談好きのメイドの百物語の最中に、本物の幽霊ことゴースト出現。リナ、怪談は怖がるのに、本物のお化けは魔法で倒しちゃうのかw
 実は屋敷に住み着いていたのは盗賊だったとか、さらに、謎の男が屋敷にいるようでとか、なかなか変化に富んでいておもしろかった。


 ラストの書き下ろしは、トワイライト・イリュージョンの報復。チワワを「使い魔」として操って、攻撃を仕掛けてくる。その愛らしさに、手を出せないリナとナーガ。さらには、大量の動物たちを操って、攻撃を仕掛けてくる。かつてないピンチ。ところが、突然、動物保護団体の介入で。この世界で、動物保護団体とか、自然保護団体イカレテるなあ。