「世界発2009:アフガンの布 紡ぐ夢:「タフタ」戦乱で生産途絶え16年」『朝日新聞』09/11/26

 アフガニスタンの国産織物の話。南部ヘルマンド州で生産された綿花を使用し、北部のゴルバハルの工場で生産され、愛された綿織物「タフタ」。ソ連の侵攻とその後の内戦で、1993年ごろには操業不能になってしまったが、地元住民は工場を守り、現在も維持し続けている。これだけ熱心な支持を受けているものに支援をしないのは、どうなんだろうな。欧米あたりからも支援を受けている手前、関税障壁を作りにくいのかもしれないが…

 原料の綿花を供給したのは南部ヘルマンド州だ。今は反政府勢力勢力タリバーンの最大の拠点で、麻薬の原料となるケシの最大の産地となっているが、元々、アフガンでもっとも肥沃な土地として知られる。ヘルマンドの農家が作った綿花は、ほかの産地のものに比べて復元力が強く、タフタの高い品質を支えたという。

「夏涼しく冬暖かいタフタは、アフガンの気候風土にぴったり。どんなに安くても外国産を買う人はいなかった。工場を再開すれば、人々の働き口も増えるし、南部の農家は麻薬を作らなくてすむ。何より私自身、あの布をもう一度手に取ってみたい」