くまもと文学・歴史館秋季特別展示会「蒙古襲来絵詞と竹崎季長」

 昨日、書いとくのを忘れてた。
 宮内庁所蔵の蒙古襲来絵詞をメインに、蒙古襲来と竹崎季長関係の史料を集めた展示会。こういうのを持ってこれるのが、設備を改造した成果ではあるな。思ったより、おもしろかった。そして、無料のパンフレットが、かなり充実していた。
 こうやって、現物を見ると、ずいぶん色や線が不鮮明というか、つながりがごちゃごちゃになっていたり、虫食いで消えていたり、読み取りが難しくなっているのだなあ。


 蒙古襲来絵詞をメインに、鷹島沖から回収された蒙古軍の遺物や竹崎季長のルーツに関する史料類、実際に戦闘に参加したことが裏付けられる人物などなど。竹崎季長のルーツあたりに関しては、館長の服部英雄氏の『蒙古襲来』や『蒙古襲来と神風』に沿った議論だな。季長が地頭職を得た海東郷に近い下益城郡の竹崎が、本貫の地とされてきたが、玉名郡(部下に玉名郡の地名を名乗る人物が多い)や長門国、現在の下関市の竹崎(烏帽子親の三井氏に関連して)が名字の地の可能性を指摘している。このあたり、明確な答えは出てこないだろうなあ。


 ラストは、近代に入って国威発揚や戦争のイデオロギー的裏付けとして利用された蒙古襲来。あとは、マンガの「アンゴルモア」とのコラボ展示の複製原画など。