瀬尾つかさ『ニートの少女(17)に時給650円でレベル上げさせているオンライン』

 うーん、物語が始まりかけで終わった感じがするなあ。プロローグ・エピローグに繋がる事件まで行き着いていないわけで。「序章」という感じ。ちゃんと、続きでるのかな。ネトゲ廃人の主人公の周囲に美少女が集まって、イチャイチャするだけだったような。一巻のお話のクライマックスとして、一応、水那の友人、絵里子に引っ付いたストーカーを退治するというエピソードが入っているが。なんか、物語二エンジンがかかるのが、遅かった感じ。
 結局、辛うじて社会人やってるネトゲ廃人の主人公。かつての恋人の娘、水那。大家の娘まつり。水那の友人の大学生絵里子。こういった面子で、ネトゲとイチャイチャハーレムやっていただけと言う。
 断片的に、水那の天才性が示唆されているけど、彼女が独り立ちする契機までは、結局行き着いていない。断片的に量子通信だの、「量子状態における時間結晶の秤動データ」とかの単語が出てくるが、スニーカーの前作『サイバーアーツ』のナノマシン、V2ウェアと関係があったりするのかね。
 ラストで、主人公も一躍時の人になってしまうわけだが、水那とした「約束」ってなんだろう。


 ませた少女というのは、作者的には動かしやすいのかね。まつりさん、あんまり重要なところに関わらせてもらっていないようだが、存在感は大きいな。大家の娘で、積極的にアプローチしてくる。