佐々木倫子『動物のお医者さん 8』

動物のお医者さん (第8巻) (白泉社文庫)

動物のお医者さん (第8巻) (白泉社文庫)

 いよいよ、最終巻。
 博士課程の卒業を控えて、開業の道を模索する二人。二階堂の空回りっぷりが、印象に残るな。自立の道を志して、自分で研修先の動物病院を探して自力練習になってしまったり、既存の動物病院のあとを継ごうとしてハムテルの家の近所の動物病院の後継者になりかけたり。結局は、近所の動物病院が、いったん、病院をたたむので、縄張りを譲ってもらえることに。このまま、ハムテルと二階堂は、コンビを組み続けるわけか。
 「西町家畜診療所」ということは、札幌の街に家畜がたくさんいた時代から、開業していた獣医師の家系なわけか。ハムテルの家といい、かなり歴史のある地域だなあ。


 あとは、二億円の固定設備購入費が割り当てられて、大騒ぎになったり。カラスの子育てで、迷惑を被ったり。


 菱沼の親族と出会ったり、サイレージ作業をするのは、この巻か。サイロの中で、呪文を唱えながら、延々歩く。なかなか、きつそうな作業。さらに、菱沼は、これに遺物を混ぜて、一族を破産の際に追い込んだ経験があると…