- 出版社/メーカー: イカロス出版
- 発売日: 2011/10/28
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近接航空支援専用に設計された、独特のスタイルの飛行機。やっぱりいいねえ。A-10の魅力をたっぷり楽しめる本。今はグレーの迷彩だけど、冷戦期は緑色の三色迷彩だったのか。
つーか、基本的にアメリカ空軍って、観念的なドクトリンに走るよなあ。この70年代後半あたりが、唯一、正気だった時期のような。そして、米空軍主流からは、常に、邪険にされるけど、戦争のたびに陸軍からの大絶賛で運用が維持される。
ベトナム戦争で近接航空支援の必要性から構想される。しかし、ベトナム戦争が終わり、ヨーロッパでの対戦車戦闘を前提とした機体に構想が改められる。冷戦の終結で、居場所がなくなりつつあったが、湾岸戦争の大戦果で、一転、長期的に運用されることになる。
本書は、A-10を褒める本だから、イラク戦争でも、信頼されたという記述になるが、実際のところ、どのような評価になるのだろう。イラク戦争で損害が大きかったから、もう、戦力として当てにならないという論理でA-10は退役の方向性のようだが。
相当に打たれ強い飛行機ではあるのだろうけど、ダメージを食らうということは、修理のコストがかかるわけで。さらに、タリバンやISあたりを攻撃するなら、A-10はオーバースペックなのも確かなわけで。
ただ、F-35は、この種の近接航空支援にはあまり向いていないように思うけどなあ。