水野良『グランクレスト戦記9:決戦の刻』

 いよいよ物語も大詰め。真の敵が姿をあらわす。
 裏切ったドーソン侯を鎧袖一触にしたアレクシスは、続いて、連合の最大の脅威であるノルド王エーリクとの決戦に挑む。海上に大型帆船による「城」を作り出し、ノルドの切り込み戦術を無力化、壊滅させることに成功する。というか、鉄甲船の長所があまり生きていなくね。無敵の装甲も、射撃兵器が発達していないと、重いだけだよなあ。ヴァルドリンドの聖印弾には、効果的だったはずだけど。


 ノルド軍壊滅を受けて、テオとシルーカは、三勢力の境目で、連合、同盟、条約による決戦を持ちかける。それに乗った、大工房同盟の盟主マリーネは、連合の軍勢が到着する前に、アルトゥーク条約を破り、大陸の武力統一を目指すも、条約側に粘りきられてしまう。
 同盟に勝ち目がなくなった結果、和睦交渉が行われることに。ここで、マリーネとアレクシスの再びの婚儀とテオが盟主としての皇帝聖印の出現が約される。
 しかし、それは、魔法師協会がどうしても阻止したい事態であり、なりふり構わない妨害に出てくる。「君主派」の魔法師の粛清、特務機関のエージェントを利用した撹乱。それを抑えて、テオたちは、魔法師協会との戦いを決意する。


 アイシェラは、魔法師協会のスパイだったのか。呪いで、服従を強制されていた、と。で、わざと失敗するシルーカ暗殺を試みた。あと、アウベストを男女の関係として、愛している、と。