鳥羽徹『天才王子の赤字国家再生術:そうだ、売国しよう』

 サクサクと読めて、意外と楽しい。
 北辺の貧乏国の王子ウェインは、父王が病気になったために、摂政に。周囲から英邁な人物と思われている彼だが、実は努力や義務が大嫌いな人間。とてもではないが、国を維持できる状況ではないため、穏便にアースワルド帝国への吸収を画策していたが、カリスマ的な皇帝の急死で、目論みが外れる。
 さらに、隣国の侵略軍に大勝、隣国の力の源泉である金山を占拠してしまう。
 基盤の弱い王子が、軍部に気を使って、外交的に気を使って行動していたら、戦争に深入りしてしまう状況がおもしろい。しかし、分不相応に勝ちすぎた感じはあるなあ。今後、続くなら、どうなっていくのだろう。


 ニニムを謗ったものは絶対殺すって、ウェインとニニムの過去が気になるな。