おがきちか『Landreaall 31 特装版』

 ウルファネアから帰ってきての話。戴冠式をサボって、何やってるのかと思ったら、トラブルに巻き込まれてたのか。槍熊たちから、山で遭難した人の形見を遺族に届けるように頼まれ、遠回り。そこで、ジェムをめぐるスッタモンダに巻き込まれて一文無しに。なるほどねえ。そして、助けた女性が、今度はエカリープの人々を助けることになる、と。
 戻ってきてからは、レポート地獄。ジェムを包むのに、ウルファネアのシルクの織り出しが良いということで、秘蔵の情報をめぐる駆け引きのお話もおもしろい。ちゃんと契約しないと、翌年のために確保する先物契約は出来ない、と。
 しかし、クレッサールにウルファネアと、欠席が続いて、DXの成績やばそうだなあ…


 あとは、メイアンディアの天恵が発現したときの話とか、洞窟の奥の幻覚を見せる人魚の話とか。
 メイアンディアの天恵、まだ、正体が良くわからないのだが。記憶を引き出す系なのかな。曾祖母が屋敷を出た途端ボケたってのは、相当幼いころから、無意識に天恵を発現させていたってことなのかね。
 愛しつつ、心を読まれるのではないかと娘を恐れる母。それに反発する三女。DXをお見合いで振ったベルティータさん、なかなかかっこいいな。そして、メイアンディアが婚約どまりだったのは、母親の意向か。
 ラストの「私の変なところって… 天恵じゃないのよ…」が笑える。


 ラストは、騎士候補生の精神的な隙を自覚させるための試練。かつては男を「搾り取っていた」、元危険種が存在して、好きな女性の幻覚を見せる。しかし、DXは、竜の加護で記憶が見られないから、本人がカイルの姿を取って現れる。「竜に翻弄されて生きる運命」というのが、今後の展開の鍵かな。


 おまけ冊子の異次元生物と精神交換しちゃった六甲の話も、おもしろい。正気度が下がらないのか。
 しかし、30巻超えてくると、置き場所がそろそろ。コミックの収納ケースが一つ埋まったな。