笹本祐一『星のダンスを見においで』

 とりあえず、笹本祐一本は、これで打ち止め。これも、90年代にソノラマ文庫で刊行された本の再刊。後半の戦闘シーンを中心に加筆されている。
 普通の女子高生が、立派な宇宙海賊となるまで。これが、ミニスカ宇宙海賊に繋がるわけか。


 主人公、冬月唯佳は、なじみの骨董店の店主ジャックにつきまとっているうちに、「笑う大海賊の秘宝」の争奪戦に巻き込まれ、身の安全を確保するためにも宇宙に旅立つことに。
 宇宙海賊たちとの出会い、同じく秘宝を狙う連合艦隊との戦いを通じて、「自由な宇宙飛行」に目覚め、そのために、国家に縛られない宇宙海賊を目指す。破損したヴァイパーの居残り修理から脱出行や紅クロスでのヴィン提督との出会いあたりの、唯佳が「宇宙海賊」になるという人生選択を行う上でのポイントが、重点的に加筆されている感じ、か。
 宇宙海賊と連合艦隊のバトルが、いろいろとバリエーションも加えられていて、楽しい。基本的には、電子戦での化かし合いがメインだけど。