瀬尾つかさ『スカイ・ワールド 1-11』

 再読、一気読み。「天秤」、「横浜ダンジョン」と同じ著者の本を固め読みしているが、どれも、異質な知性と人類の接触という点では、共通しているな。「天秤」では、世界を渡る存在と人類の接触が悲劇を呼び起こす。「横浜ダンジョン」は、とにかく攻撃的な、これまた多世界を移動する存在との戦い。で、スカイワールドは、人工知能と「波」という二つの知性の衝突から、多数の世界が生まれた話、と。


 MMORPGスカイ・ワールド」のプレイヤーたちが、突然、ゲームの世界に召喚され、元の世界に戻るべく苦闘する話。なのだが、クエストバカの主人公ジュンを初めとして、ゲームに適応しきった主要キャラ陣が、異世界で楽しむお話な感じだなあ。「全ての願いがかなう」アイオーンへ向うというメインストーリーは堅持されているものの。結局、主要キャラのかなりの部分が、スカイ・ワールドで永遠の冒険を続けることを選ぶわけだし。終わりのない冒険いいなあ。上位ギルドの主要メンバーだと、日本に戻るより、スカイ・ワールドの方が生計基盤が整っているともいえそうだし。


 そういえば、竜楼石とか、なんでサクヤが駒を隠したかみたいなところは、結局、明らかにされなかったな。


 とりあえず、後半、ジュンさんハーレム状態だったが、最後に出てきたアミリィのヒロイン力、すごいな。かすみのひたむきさと、エリのツンデレと、ユーカリアの外人要素とエロ担当、ヒカルのポンコツさを兼ね備える最強ヒロイン。あと、リュカと二人で、9巻あたりから、他のヒロインの出番を食いまくっていたなあ。