- 作者: 石井あつこ
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2018/11/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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しかしまあ、この手の本を何冊か読んで、峠とか、渓谷の国道なんかで、廃道の気配はつかめるようになってきたな。
いつも思うのだが、こういう明治の車道探索って、なまじっかな登山より危険度高いのではなかろうか。崖崩れで埋まったところを強引に突破したり。高所恐怖症にして閉所恐怖症だから、廃トンネル潜りとか、廃橋渡りとか、真似できる気がしないなあ。特に、廃トンネルとか、無理無理。藪こきも、勘弁して欲しいけど。
夏場は雑草が茂って探索しにくいってのは、化石探しで経験あるなあ。沢が雑草で埋まってた。廃道探しにちょうど良い季節は、今頃ということか。冬は寒いしなあ。
ここの廃道探索については、ちょっと感想の書きようがない。峠の徒歩道と廃トンネルの探索が多いけど、トンネルの出てこない廃道も多い。新青梅街道の黒川通りは、割と有名かな。個別の物件では、山梨県都留市田野倉の水路と車道のハイブリッド地下道と旧国道254号の木造トラスが残る旧落合橋が印象的。
ラストの戸倉峠の未成隧道が、なんというか、すごい。残されたメッセージ。そして、潜るときの危険度。
しかし、馬車用の車道規格の道路でも、管理が放棄されると、崖崩れで埋まり、路盤が浸食されて、消えていくのだなあ。
今回、地理院地図の地形図と最新航空写真、1970年代の航空写真を首っ引きでの読書。1970年代と比べると、植生の変化が顕著。1970年代と比べると木が育って、上空からの観察が難しくなっている。70年代航空写真では追跡できるルートが、現在は全く見えなくなっていたり。
あと、こうやって地理院地図を使いまくっていると、いろいろと不満も大きい。ちょっと広域を表示すると、一気に情報量が落ちるのはなんとかならないだろうか。ある程度広い範囲の地形を見ようとすると、ものすごく手間がかかるのだけど。
航空写真も、「最新」のものが1970年代のものという場所が、山間地を中心に多くて、改善して欲しい。
途中に挟まれる今尾恵介氏との対談がおもしろい。
こういう、物怖じせずに話しかけることが出来る人は強いなあ。廃道趣味に入るときに、見に行った興奮のままに平沼氏に会いに行ったり、講演会で今尾氏に話しかけたり。
堀淳一さん、2017年に亡くなってたのか。ちょうど、堀さんの本を読み始めたところなのだが。そうか。『地図のたのしみ』私も読んだなあ。