![[最新版] 活火山 活断層 赤色立体地図でみる 日本の凸凹 [最新版] 活火山 活断層 赤色立体地図でみる 日本の凸凹](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/618Ei%2BtRqSL._SL160_.jpg)
- 作者: 千葉達朗
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2011/08/25
- メディア: 大型本
- 購入: 4人 クリック: 30回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
旧版を読んでいるが、今回は、東日本大震災をうけて、2011年に再刊されたもので、断層の記述が強くなっている感。
しかし、実は、単純に火山の溶岩の流れや山体崩壊を観察するだけなら、赤色立体地図よりも傾斜量図を使うほうが、鮮明に見えるような気がする。少なくとも、地理院地図では、赤色立体地図モードより、傾斜量図のほうが火山の観察がしやすい。傾斜量図は、どっちに傾いているかが分からないという欠点もあるが、色別標高図と切り替えれば、それも問題ないしな。地理院地図を使うという前提では、傾斜量図のほうが優れているように感じる。
で、本書でクローズアップしている火山をそっちのけで、あちこち火山の痕跡探しに没頭してしまった。北海道とか、東北とか、結構、火山のカルデラ跡が残っているものだな。というか、他から離れた、独立峰を見かけたら、たいがい火山という。以下、本文そっちのけで、いろいろと、気になった地形をメモ。
十勝三股カルデラと然別火山群
適当に北海道の火山を見ていたら、上士幌町の北端に、なんか、不思議なカルデラを発見。山体崩壊にしては、下に流れ山がないし、なんだろうと思ったら、火山のカルデラらしい。北海道中央部、更新世の十勝三股カルデラの提唱と関連火砕流堆積物によると、100万年前の噴火でできたカルデラらしい。ぱっと見、よく分からないけど…
基本的には、廃線と廃駅が有名らしい。確かに、通すならここといった場所ではあるが…
tenere.blog.shinobi.jp
そのまま、地図を南にワイプすると、今度は比較的明瞭な火山群が然別湖の南岸あたりに出現。これを然別火山群というらしい。30万年前から2万年前と、比較的新しい火山。傾斜量図で見ると、南へ流れる噴出物の痕跡も見て取れる。これ、ダム湖じゃなくて、堰き止め湖なのか。
ja.wikipedia.org
赤井川カルデラ
小樽の南西、赤井川村と仁木町に広がるカルデラ。中心のカルデラの周りを、さらに余市川の谷が取り巻いていて、衛星画像からもわかりやすい。二重のカルデラというのがすごい。
ja.wikipedia.org
増毛山地
古い火山。傾斜量図で見ていると、平坦な高原が目立つ。ずいぶん浸食されているようだけど、東側には「北海道の尾瀬」と言われる雨竜沼湿原が広がっている。しかし、本州の山と違って、山小屋とかがないのだな。
www.kosugi-sp.jp
ja.wikipedia.org
ja.wikipedia.org
hokkaido-labo.com
七時雨山
岩手県八幡平市にあるカルデラ火山。面白いのは、ここが昔の街道の通り道だったらしいこと。確かに、上ってしまえば、割と平坦な道になるが。花輪盆地方面に抜けるなら、前森山の麓を巻いていく方が、楽そうだなあ。あっちは、いくつか、沢があるけど。
西側斜面の「車之走峠」というのが、いかにも廃道がありそうな感じのする地名。明治の馬車道くらいありそうだなあ。
グーグルマップだと、わかりにくい…
ja.wikipedia.org
姉帯・小鳥谷・根反の珪化木地帯
www.town.ichinohe.iwate.jp
この辺、なんか地形が不自然な感じがする。断層か、隆起の構造帯でもあるのかね。馬淵川の段丘がなんかすごいな。
梨の木峠
七時雨山の北西、津軽街道の峠。三本の谷が切り込んでいて、国道、高速道路、鉄道がそれぞれ、別の谷を通っているのがおもしろい。現在の道は、車両用っぽい線形だけど、江戸時代の道はどんなだったのだろう。
南からみて、手前の荒屋新町、ストリートビューで見ると、良い感じの建物がけっこう残っているな。昔の宿屋かなんかかな。
ja.wikipedia.org
tougeoyaji.ciao.jp
www5.nsk.ne.jp
男鹿半島の火山群
海岸線にあって、港になっている戸賀港が一番目立つが、近隣の目潟、内陸の寒風山など、多数の火山跡が。
ja.wikipedia.org
www.oga-ogata-geo.jp
serai.jp
syakeassi.xsrv.jp
ja.wikipedia.org
www.oga-ogata-geo.jp
鬼首カルデラ
宮城県の北西端、荒雄山を中心とするカルデラ。火山活動は20-30万年前だそうな。温泉がいくつもあると言うことは、完全に冷えたわけではなさそうだが。荒雄山が中央火口丘ではなく、隆起したってのが、すごいな。
南の潟沼周辺の火口群もなかなか。というか、こっちもカルデラなのか。鳴子カルデラというのが、あるそうで。
ja.wikipedia.org
pas.hateblo.jp
ja.wikipedia.org
tabippo.net
船形山
十和田湖から赤城山あたりまで続く火山フロントの山々の一つ。不自然に緩やかな斜面があるから、元火山だなと分かる。比較的古い火山のためか、溶岩や火口は目立たず、どっちかというと地滑り地形が多い。東側の斜面に池が多いのは、そのせい。
ja.wikipedia.org
月山
出羽三山の一つとして有名な山。ここも、元火山。傾斜量図で見ると、山頂の東側は緩やかな高原になっているのに対して、西側は険しい浸食地滑り地形になっている、二面性が印象的。昔の修行者も、険しい山の上の平原に、天国を見たのだろうか。
藤島川の谷のでかさと、平野に出るとこに残る山体崩壊の流れ山が、この山の暴れっぷりを物語る。
ja.wikipedia.org
猪苗代湖
猪苗代湖って、堰き止め湖だったんだな。北西の流れ出しのところに、流れ山があるということは、山体崩壊でせき止められたのかね。ウィキペディアでは、火砕流堆積物で埋められたとされているが。
ja.wikipedia.org
蔵王山
火山による溶岩よりも、派手に崩れているなあという印象を受ける火山。御釜がある五色岳も、かなり崩れた形跡があるけど、崩れた土砂はどこへ流れたのだろうか。
西側に山体崩壊して、流れた酢川泥流、巨大な堰き止め湖を作っていたっぽいなあ。
北の八丁平にある有耶無耶関って、これが有耶無耶の語源なのか…
ja.wikipedia.org
沼沢湖
会津盆地の西にある、見るからに火山のカルデラ。直近の活動では、5000年前に会津盆地まで届く火砕流を噴出しているそうで、思った以上に新しい山だった。
あと、周り、ダム多すぎ…
ja.wikipedia.org
七ヶ岳
これ、カルデラ火山じゃないのか。いかにもといった雰囲気の地形を作っているけど。それらしい情報はないなあ。南の高杖原にも、それっぽい盆地が存在するが。
ja.wikipedia.org
minkara.carview.co.jp
戸板峠
なんか、地図にない、立派な二車線道路があるけど、これ、何!?
作りかけの道路林道が、結局、計画中止で放置されているらしいが。ここまで作ってもったいないと思うべきか、ここから先の工区が金がかかりそうと考えるべきか…
地理院地図の航空写真が撮られた時点では、北側からは道路工事が行われているな。
kumagorou157.blogspot.com
yamaiga.com
白鷹山崩壊地
山形盆地の西にあるカルデラ。山体崩壊で形成されたようだが、どの程度の広がりがあったのだろうか。かなり古い時代の崩壊のようだから、平野部は浸食されたのかねえ。文献としては、山形県白鷹カルデラの構造と岩屑流堆積物、蔵王火山および白鷹火山の巨大山体崩壊発生時期が引っかかった。
西側にも大規模に崩落しているらしい。ここらあたり、谷を埋めて、河川争奪を引き起こしていそうだなあ。
ここいらは、明らかに不自然な川の流れ(地理院地図から)
ここも、尾根で分水界が出来ているけど、谷の中でかなり錯綜している。
ja.wikipedia.org
sumisumi.cocolog-nifty.com