奥富敬之『鎌倉北条氏の興亡』

鎌倉北条氏の興亡 (歴史文化ライブラリー)

鎌倉北条氏の興亡 (歴史文化ライブラリー)

 鎌倉幕府の執権北条氏の代々記。「歴史文化ライブラリー」の本らしい、手堅い作り。ただ、『鎌倉将軍・執権・連署列伝』 や『将軍・執権・連署鎌倉幕府権力を考える』 を読んでしまった後では、普通としか言いようがない感じが。
 時政、義時、泰時、時頼、時宗、貞時、高時の北条氏七代。しかしまあ、幕府有力者間での権力抗争からの、族滅戦争が何度も繰り返されて、鎌倉幕府やべー。
 あと、あちこちに所領を持っていた割に、北条氏って、以外とあっさり消滅した感があるな。もともと、伊豆の在庁クラスの武士が、一気に成り上がっただけに、基盤が意外と弱かったのか。いや、南北朝期の時行の粘り強い戦いを見ると、それだけの隠然とした支持があったと考えるべきか。鎌倉幕府=北条氏だっただけに、滅亡時に徹底的にやられたと考えるべきか。