えーすけ『初恋より気持ちいい』

 欲望を暴走させたり、それに乗っかって生きる女性たちのストーリー。男性キャラは、なんか、抽象的存在というか。
 表紙の赤い手枷から、そっち系の作品を期待したが、冒頭作を含めて、ほとんどそういうプレイはなかったな。ちと残念。


 公開したオナニー動画の正体を見破られ、一月体を自由にされて、開発されまくってしまう冒頭作「黒い扉」が印象的。兄に恋しているけど、手を出せないまま、オナニー動画で発散。それを見破られて、兄の友人に開発されまくる。そして、最後に、「もういいよ」と放り出されて、やり場のない欲望に途方に暮れるラストが良い。


 その次の、初恋の女性に似た少女が万引きをやっている場面に、主人公が声をかけたら、そのまま彼女を泊めることになった「シルエット」、その続き、少女の親友が乱入してくる「シルエット2×2」も良い。
 あっけらかんとした雰囲気とミステリアスさを両方含んでいるような。「なんでも」のシーン、ぐっとくる。
 そういえば、搾り取られる描写多いなあ。


 陸上部のクズ顧問とマネージャーの情事を描く「熱帯夜」、クズとかののしりながら、すっかり性関係に溺れているマネージャーの眼鏡少女がええっすな。
 あとは、30過ぎのさえないサラリーマンが、行きつけの定食屋のバイトの子に告白されて、そのまま、定食屋のトイレで情事になだれ込む「最終電車」とか。