ニイマルユウ『青いさえずり』

 微妙な関係の男女が、性行為に踏み込むお話がメインの作風というところかな。


 冒頭の「春までは」、三番目の「青い囀り」、五番目の「酔蜉蝣」あたりが印象的かな。
 冒頭作「春までは」は、幼い頃からキスする関係の二人。しかし、男の方は東京に進学することに。遠距離恋愛になってしまうことになって、進展させるべきか悩んでいる。二人で勉強しているところで、じっと見ていたら、彼女のほうが「したい?」と聞いてきて。ラストの、女の子の手の動きが印象的。


 「青い囀り」は、表題作なのかな?
 人気の男子「三嶋」と少し仲良くなったら、三嶋の彼女からいじめられるようになった田村ちゃん。三嶋に彼女になったらいじめられないのかなといったら、性行為を求められて。気の弱そうな、しかし、しっかり感じている田村ちゃんが、こう、ムラムラきますな。


 ツンデレM娘を無理矢理手籠めにしてしまう「酔蜉蝣」の山田と御薗の二人の歪みっぷりも印象に残る。スパンキングプレイ良いです。


 あとは、強気少女がTSもの設定で色っぽくなる「イメージプレイ」、オレっ娘が作家の男に性的挑発をかける「変わり目」、自棄になった歌手が行きずりの相手を引っかける「イマジンな愛の歌」あたりが印象的かな。