- 作者: 渡瀬草一郎,こぞう
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/09/10
- メディア: 文庫
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ナンバーが振られていないから、もしかすると、読み切り企画なのかもしれないけど。
主人公、椚雪緒は、関東大震災直後の横浜で、下宿生活を営むことになる。大震災の火災から焼け残ったその屋敷には、猫を主とあがめる奇矯な紳士が住んでいて、さらに妖の姫君まで転がり込んで、否応もなく幽界の騒動に巻き込まれていくことになる。
なんか、主人公雪緒君が目立ちまくって、ヒロインがいまいち影に隠れている感があるなあ。どんなことがあっても平常心、天然ジゴロ、人間離れした戦闘力、幻影が効きにくい、妖力を素早く受け入れる。続きがあったら、出生の秘密がいろいろと出てきそうだなあ。本当に人間かという、麒麟児ぶり。いくら出生の場所が場所とは言え。つーあ、あの戦闘力、特殊部隊に必要とされそうだ。
足きり遊郭の主糸締様が印象的だなあ。エロ巫女服で、知らないで出会うとあどけなく見える。でも、油断すると食べられちゃう(性的に)。剛地弥太郎氏は、ラストで供物として捧げられたんだろうなあ。食べられるのかと思ったら、生気を吸い取られちゃうのね。つーか、友人を躊躇なく供物にしちゃう夜鳴川氏、なかなかの外道っぷりw
後半に種明かしを集中する構成で、実際に、いろいろそうなってたんか見たいな種明かしが楽しい作品だったけど、それで、メインヒロインの宵姫のキャラクターが弱まった感はどうしてもあるなあ。
ラスト近くで、ヤンデレの予兆を強烈に示したり、未熟ながら果断な決断で足きり遊郭へ乗り込んだり、見せ場はあるのだけど。蛇は思い込みと嫉妬が激しい、と。
個人的には、袴に振り袖の大正女学生スタイル好きです。