瀬尾つかさ『監獄勇者のやり直し:貶められた最強の英雄は500年後の世界を自由に生きる』

 少し早くネット落としたので、小説でも読むかと手に取ったら、ノンストップで、寝る時間が遅くなってしまった。
 これ、続き出るのかな。いちおう、「なろう」の連載は続いているようだが。


 大陸を蹂躙した邪竜アイシャザックを討伐した英雄たちの一行。しかし、凱旋した一同はバラバラに分断され、「剣聖」コガネは言われもない謀反の容疑をかけられてしまう。邪竜の血と霊気を浴びて、不老不死、傷つけることすらできない存在になっていた彼は、監獄城に封印されてしまう。
 その帝国は、後継者争いであっさりと滅び、コガネの存在は忘れ去られてしまった。そして、500年後、コガネは、かつての思い人にそっくりで、かつ邪竜の生まれ変わりを名乗る少女に、牢獄から解放される。その少女アイシャとともに、同じく生き続けているはずの仲間を求めて、変わり果てた世界を手探りで旅していく。


 帝国が滅びて、継承された武技が失伝。それでなくとも最強クラスの剣士が、初見殺し技で圧倒的に優位に立つという、こと戦闘に限れば無双状態。さらに、500年錬り続けた霊気が加わる。
 一方で、情報に関しては、手探り状態。巨大帝国が滅んで乱世になって、500年幽閉されていたコガネは完全に浦島太郎状態。竜の生まれ変わりたるアイシャも、貴族の出身で、相応に情報収集能力には長けているようだが、旧帝都が田舎の国と化して、それほど情報は無い。その中で、「聖女」を助け出し、シルダリ教国の情報網を得たことは、情報アドバンテージが大きそうだな。


 しかしまあ、アイシャザックの「転生」と、7人の英雄たちからの力の回収がどういう意味を持つのだろうか。記憶が欠落していて、何が起きたか本人にもよく分からないとか。ミルから回収した霊気で、前世の記憶が少し戻ったけど、それを話のは後でとか…


 とりあえず、6人のうち最初の一人、「聖女」ミルを助け出す。討伐後、シルダリ教団に保護され、居場所が一番はっきりしている人物。しかし、彼女は「旧人」の残した機械によって、「精霊」になりかけていた。彼女を助け出した結果、聖女から闇属性の魔法使いにクラスチェンジか。
 浮遊機動要塞にしろ、その存在に伴う霊脈の乱れにしろ、聖女様大好き連中が良かれと思ってやっていたというのが、アレだなあ。まあ、人間、何か突き詰めると、意味が反転してしまうんだよねえ。
 とりあえず、ミルさんが可愛いです。妹分で、連携バッチリのムードメイカー。「ふわふわ雲のような」笑顔が、いいですね。