『世界の艦船』2020/4号

世界の艦船 2020年 04 月号 [雑誌]

世界の艦船 2020年 04 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/02/25
  • メディア: 雑誌
 ここのところ、積んである雑誌を制圧中。
 この号の特集は、潜水艦。弾道ミサイル潜水艦保有国の増加、そろそろ次世代潜水艦が形になってくる。日韓豪の大型潜水艦の整備。空母に護衛の駆逐艦に、沿岸防衛用コルベットにと水上艦艇は山ほど作っているが、原子力潜水艦に関しては整備が停滞している感がある。通常水深潜水艦に関しては、元級が18隻になって、今ではあまりにも旧式な明級の退役が進みつつある。
 韓国の214型の不具合は紹介されているが、ギリシアの214型はどうなっているのだろう。ドイツやイギリスといった伝統的な潜水艦生産国の技術力に陰りが見られるように思えるのだが。


 2月の段階だと、日本の新型コロナは、まだ「ダイヤモンド・プリンセス」にとどまっていたのだよなあ。なんか、その後いろいろありすぎて、時系列が曖昧だ。

「世界の潜水艦 その最新動向」

 戦略原潜攻撃原潜、通常型潜水艦、特殊任務潜水艦に分けて現状を紹介。
 戦略原潜は、アメリカとイギリスで次世代艦の建造がスタートしたところ。オハイオ級後継のコロンビア級、ヴァンガード級後継のドレッドノート級、どちらもある程度設計が固まって、先行調達が始まっているところ。ロシア、中国も次世代艦を構想中。インドはアリハント級弾道ミサイル原潜保有国に加わったが戦力化には進んでいない。次世代潜水艦のミサイル搭載数の減少傾向やSLBMの射程延長が一段落している状況なども。
 攻撃原潜については、特に変わりなし。フランスのシュフラン級一番艦が原子炉臨界に達したところだそうだ。コロナ禍で、テストは順調に進むのだろうか。だいたい、巡航ミサイルを搭載するようになったとか、魚雷発射管の大型化の停滞とか、特殊作戦への対応とか。
 通常動力潜水艦に関しては、主要建造国ごとの紹介。中国の元型の増勢と輸出推進。フランスはスコルペヌ級のセールスが好調。とは言え、技術情報がダダ漏れしたことが今後どう影響するか。あとは、オーストラリアのアタック級がどうなるか。ドイツは214型のトルコでのノックダウン生産イスラエルのドルフィン級就役など。スペインのS-80型は重量超過の不具合。日本のリチウムイオン電池搭載など。あとは、ライセンス生産をもとに新興輸出国となりつつある韓国。
 特殊任務の潜水艦は、特殊部隊の支援、ロシアの深海調査原潜、中国・北朝鮮の通常動力弾道ミサイル潜水艦、あるいは、北朝鮮、イラン、パキスタン、韓国、ベトナムなどの特殊部隊浸透用小型潜水艦など。

多田智彦「潜水艦の搭載兵器 最新レポート」

 魚雷兵装に関しては、ロシアのポセイドンがやはり目新しい。本当にこんなモノつくる気なのだろうか。正気度低すぎ兵器といった感じだが。ステルス戦略兵器ではあるなあ。
 弾道ミサイル、ロシアのブラヴァは実戦配備されたのか。あとは、インドの弾道ミサイルの射程延長の努力。巡航ミサイル・対艦ミサイルも、装備が常識化してきたな。そういう点では日本の潜水艦についても、考える必要があるかも。あとは、ドイツのアイダス対空ミサイルとか。

道満誠一「リチウム潜水艦にシフトした海上自衛隊

 いよいよ、世界に先駆けてリチウム・イオン電池搭載の潜水艦が就役。保守的な自衛隊としては珍しい。
 長所としては、エネルギー密度が高く、高出力時でも放電が緩やか。また、今後電気自動車用電池の開発など民生技術のスピンオンが期待できる。中速域の行動能力が顕著に改善する。一方で、潜水艦の運用速度が上がることによる航走雑音の提言や中速域でのセンサー能力の向上、火災を起こしやすい電池のダメージコントロール、性能の変化による運用技術の開発などが課題になる。

白石光「潜水艦輸出市場の過去・現在・未来」

 ドイツの214クラス、フランスのスコルペヌ級、ロシアのキロ級あたりが競っている。そこに中国と韓国が参入している構図。そして、日本の売り込み失敗。

小林正男「UUVは海戦を変えるか?」

 対機雷戦、対潜戦、対水上艦、監視用などが開発されつつある。小型で静粛性が高いUUVは、既存のセンサーや兵器を躱せる可能性が高く厄介。あるいは、長期的な監視が可能。課題としては、情報処理のAIの開発、そして、エネルギーをどう補給するか。航続距離が短いと使い物にならない、と。