『モデルグラフィックス』2019/12号

モデルグラフィックス 2019年 12 月号

モデルグラフィックス 2019年 12 月号

  • 発売日: 2019/10/25
  • メディア: 雑誌
 特集はチッピング入門。塗装の剥がれを再現するチッピング塗装の技法を紹介する。ヘアースプレーを使うやり方が一般的と言ったらいいのかな。アモ・バイ・ミグヒメネスの剥がし液、ヘアースプレー、シリコーンバリアー、マスキング液を利用した剥がしに、筆塗りに描き込んでいく技法の五種類。個人的には、シリコーンバリアーの剥がしが一番いいと思うけど、毒性があるから防毒マスク推奨ってのが、めちゃくちゃ敷居高いなあ。寝室兼用の部屋で、そんなもの使えない。
 イラク軍の69式戦車のチッピング、ここまでやって良いのかねえという感じが。建設機械なんか、派手に塗装がはげていたりするから、状況に寄りけりなのか。シリコーンバリアーを使ったダグラムのサバロフAG9ニコラエフくらいの剥がし方が一番いいように思える。
 フレームアームズガールのグライフェンを使った作例、なんか、不自然感があるなあ。まんべんなさすぎというか。


 一般作例、キャラクターモデル。リアルグレードのνガンダムがなんか凄いらしい。世代を重ねるごとに、ディテールの細かさなどが変わっていくのが興味深い。あとは、MGゲルググ改造リゲルグ、難産だったような。MGを改造するのは大変そうだなあ。
 フレズ忍バジリスクが凄いな。フレームアームズ・ガールのフレズヴェルクビキニバージョンを改造したもの。髪型を徹底回収してポニーテールに。ポニテいいなあ。もみあげ部分もスプリングで可動。79ページ左側の写真が好きです。


 スケールモデルでは、1/35バイク、フンメル、ヤンマーコンバイン、1/48P-38ライトニングなどが興味深い。
 齋藤マサヤ氏のバイクモデル単行本の宣伝ページ、122ページから123ページ。タイヤが10円玉より小さいのに、きっちり細部まで作り込まれているのが凄い。ビビる。
 タミヤ1/35フンメルの砲弾搭載シーンのジオラマ、汚しもほどほどの上品な作り。重榴弾砲、好き。
 ヤンマーのコンバインYH6115は、ハセガワから1/35で発売。作例はキットレビューということでピカピカ仕上げ。排気管の開口・整形などのディテールアップと稲刈り作業中の再現。稲刈り再現がおもしろい。
 タミヤの1/48P-38ライトニングは、組み立てやすさを重視して設計されているらしい。組み立てやすくても、大きさがなあ…

岡部ださく「世界の駄っ作機」

 1928年に初飛行のウェストランド・ウィッチ軽爆撃機の話。着陸脚が弱くて不採用。しかし、同じ競走試作で作られた飛行機がどれもこれも似たような理由で不採用になっているのが泣ける。

岩重多四郎「世界の舷窓から」

 イギリスが第二次世界大戦中に組織した護送船団の解説。北米やアフリカ、インド洋などで、さまざまな名前の船団ルートが存在した。これらは、護衛の都合と経済性の兼ね合いで組織された。
 作例は、船団護衛中に独装甲艦アドミラル・シェーアと遭遇。船団を逃がしつつ、格上の相手に挑み、沈んだ仮装巡洋艦ジャービス・ベイ。152ミリ砲7基じゃ、普通にアウトレンジされちゃうよなあ。速度・火力・装甲すべてで圧倒的優勢の相手に、死を覚悟して挑んだ。おかげで、船団の構成船30隻以上が脱出に成功か。
 つーか、このクラスの仮装巡洋艦って、駆逐艦にも勝てなさそう。潜水艦相手だと、砲戦では勝てるだろうけど…