熊本博物館ミニ企画展「ひらいて、見よう!いろんなまきもの」

 会期ギリギリで見に行けた。とりあえず、この季節、外に出たくない上に、今年はコロナの危険もあるという。ぐずぐずして、結局、最終日前日に。
 内容は、タイトル通り、巻物を開いて展示するもの。とはいえ、会場が狭く、全部は開けていないのが残念。出展品は、比較的新しい物が多い感じかな。


 最初は、1860年に『鯨志』を写した「鯨図」。原本は無彩色だが、これは彩色されているのが特徴らしい。それぞれ、図と解説が載っている。解説は半分くらいしか分からなかったw
 細かい特徴はともかくとして、大まかにはけっこうわかるなあ。



 続いては、「横矢旗」が二点。五月の節句に鯉のぼりと一緒に矢旗を立てる習慣が熊本にあるが、それを横にしたのが「横矢旗」。室内や軒先にめぐらせるもので、武将や軍人テーマが好まれたという。前者は、日露戦争関係の出版物を貼り合わせた物。後者は、加藤清正主人公の秀吉による九州平定の姿を描く、絵巻物。実際には、清正は後方支援してたそうだけど。
 こうしてみると、日露戦争加藤清正がこういう風に受容されていたのね、という感じが。







 壁面の反対側に移って、次は「住江金之錦絵コレクション」。西南戦争関係の錦絵を巻物に仕立てたコレクション。戦国時代の島津家の話を延々とする「西郷隆盛夢物譚」、大接近した火星に西郷隆盛を見る「奇星之実説」、そして、冥府で大暴れする西郷一党を描く「隆盛冥府大改革」。西郷に託した想像力がおもしろい。




 続いては、豊臣秀吉朱印状。偉い人からの手紙は、軸装されて保存されることが多い。ここで紹介されているのは、小豆島の有力者須佐美甚太郎と高橋木工にあてて、戦争のための船舶を準備するように命じる書状。小西行長が詳しいことを教えると書かれている。



 最後は、肥後藩士住江家の先祖附。累代の事績をまとめて、由緒を主張するもの。この家のものは、かなり長大なものだそうで。広げられているのは、初代の小右衛門がどのように活躍したかの話。播磨で城を乗っ取ったとか、関ヶ原で偵察に出てよく見てきたと褒められたとか。
 気がついてなかったけど、これも、上の住江金之氏関連?



 あとは、春の宮本常一展の抜粋版の展示や「おうちミュージアム」、プラネタリウムのパネル展示など。宇宙背景放射の発見の物語をプラネタリウムの映像にしたらしい。