熊本城に出撃

 15日に続いて、今度は日祝日だけ開放される、北ルートで本丸に。
 青空がきれいな、いい天気だったけど、風が冷たくて長袖シャツだけではちょっと寒いくらいに。いよいよ、秋って感じだなあ。もう、11月も近いから、当然と言えば当然か。とはいえ、動くと暑くて、かといって脱ぐと寒いという、微妙な気温だった。


 本丸を見た後は、熊本県立美術館で「細川家の名宝」展と新収蔵品展の後期展示を見る。だいたい、後期展示のほうが、好みの物が出されている感じだなあ。
 細川家の道具類については、瀬戸肩衝茶入が銘小森から広沢に変わった程度だが、護立コレクションのほうはかなり入れ替わっている。
 国宝の金彩鳥獣雲文銅盤が細工が見事。こちらのほうが大きい分だけ、展示ケースで見る分には見応えあるかなあ。しかし、展示ケースの反射はなんとかならない物か。



 改めてみると、紫檀山桜に蝶図煙草盆が凄いなは。舶来の銘木に、惜しげも無く技術を注ぎ込んだ一品。あとは、東南アジアから輸入された蒟醤猿香合がいい。蒟醤とは、漆の面に文様を彫り込み、そこに朱漆などをつめて、研ぎ出す技法。質感がすばらしい。
 護立コレクションでは、絵画がかなり入れ替わっている。白隠の絵画が、「蓮池観音図」に。墨で地を塗って、白抜きで観音様を表現しているのが印象的。あとは、安井曾太郎の「承徳の喇嘛廟」、小林古径の「鶴と七面鳥」が好き。


 新収蔵品展のほうでは、三十六歌仙図扁額と菱形八幡宮神像、版画が入れ替え。三十六歌仙図も、よく見ると、服に柄があるか、ないか。武官装束か、ちがうか。どうして、このモチーフが選ばれるのか、選択基準が気になる。あとは、菱形八幡宮の神像の朽損具合が痛々しい。
 そして、大岡春卜の「山水人物花鳥押絵貼屏風」のお猿さんのデフォルメぶりに、相変わらず目が奪われる。






 その後は、第一展示室で開かれていた「第45回高校美術展・風景画コンクール優秀作品展」を見る。要は、美術科・美術部の県大会ということなのかな。
 上手な人は上手だなあという印象。で、目を引く作品はだいたい、何らかの受賞をしている。しかし、全国大会出展作品を見ると、「高校生らしい」みたいなバイアスがあるのがおもしろいなあ。あとは、時事ネタをうまく取り込んだポスターとか。
 逆に、漫画・アニメ系の絵柄は評価が低いっぽい感じだなあ。ネットでもっとうまい人の作品が溢れているから、独自性を出すのが難しいというか、既視感がある作品になりがちというか。
 10年して思い出して、悶絶しそうな、厨二心にあふれた作品もw
 最後に展示されていた風景画コンクールの特選作品、高校生で風景画スキルがカンストしてるような作品がぞろぞろ並んでいるのもすごい。


 個人的には、建物をモチーフにした造形作品が気に入った。タイトルは失念したが、「いほうけんちく」かなにか、そういう作者コメントが付してあった。あと、陶器の優秀作品とか。


 あとは、上通、下通の書店をうろうろ。新刊や雑誌を確保。ちょっと金使いすぎた。


 イチョウもそろそろ、色付きはじめている。これは、城彩苑前。



 二の丸では、なんかお仕事中のくまモンが。





 装飾古墳室のチブサン古墳の石室の文様、いつ見ても顔にしか見えない。鳥系の顔だよなあ。昔の人はこれを乳房に見立てたらしいが。いや、下の黒い三角をハイレグ水着と考えると、トップレスの女性の胴体から太ももとみることもできるか。