まさみティー『黒鳶の聖者 1:追放された回復術士は有り余る魔力で闇魔法を極める』

 なろうで読みふけっていて、個人的にかなり気に入ったので、思わず購入。やっぱ、本は紙のほうが楽。夢のシーンとか、いろいろと加筆されているようだ。


 強力なジョブ、「勇者」「聖騎士」「賢者」「聖者」を持つ幼なじみ同士で作ったパーティ。しかし、全員が回復魔法を会得してしまったうえ、自身の攻撃力が無く、そのためレベルが低い「聖者」ラセルは、パーティから追放されてしまう。
 失意のまま、人助けもしつつ、故郷の村の孤児院に帰ってくる。しかし、村には新たなダンジョンが出現していて、すでに魔物が跳梁するようになっていた。
 故郷を守るため、たまたま現れた魔術師のシビラとともに、迷宮に挑む。


 シビラとともに迷宮探索を行ううちに、今までの回復役は活躍できないという固定観念を崩され、新たな戦いを身につけていく。そして、「魔王」との遭遇、そいつがドラゴンの召喚してけしかけるという絶対的なピンチ。その状況で、真の姿、「宵闇の女神」を露わにし、力が必要かと問うシビラ。ラセルは、聖者のジョブを維持しつつ、「宵闇の魔卿」という新たなジョブと闇魔法を身につけることを選択する。魔力無尽蔵というかなりチートキャラだけに、魔法防御無効という闇魔法で、無双していくことに。


 一方、ラセルを追放した元パーティには、ケイティという美女が現れ、仲間になる。一方で、それは、パーティに暗雲をもたらすもので…


 とりあえず、聖騎士のエミーがかわいい。ラセルを守ることが最優先だった彼女は、予期せぬスキルの発動で傷つけてしまったことを気に病んでいた。そして、スキルの発動の条件が、大事な人を意識することであることをケイティに教えられ、自責の念が暴走してしまう。
 それでも、ラセルのチームに合流して、次からは一緒に行動か。
 「賢者」ジャネットと比較して悩んだり、なんか、すごくいいねえ。ラセル大好きで女性としての魅力を気にしているキャラだけに、イラストの髪型は意外だったけど、これ、編み込んでの短髪なのかな。だったら、違和感ないかな。


 話の流れが安定していて、非常に読みやすい一作。