瀬尾つかさ『双剣使いの封呪結界 1-2』

 地震だのリフォームだので埋まっていた本発掘。これも3年ぶりくらいか。
 「勇者」として異世界に召還された主人公一輝と遥は「黒き御柱」を破壊して帰還した。しかし、地球に戻ってみると、東京が黒い霧に覆われ隔離されてしまっていた。元勇者たちが「東京解放委員会」に組織される中、一輝と遥は恋人・姉であった久遠を蘇らせるべく独自行動を行っていた…


 とりあえず、理沙がいいなあ。金髪ツインテで騒がしい娘っこ。しかも、それが心の傷を隠した強がりというのがこれまた。


 2巻はいきなりクライマックス。東京解放委員会と冬峯かなたの進撃にあせった黒幕「星刻の徒」はクーデタで乗っ取りをかける。しかし一輝たちは難を逃れ、クーデタに反攻する帰還者たちも動き出す。それは地球をはじめとする多元世界を犠牲にして一つの世界を蘇らせる陰謀のクライマックスであった。それを阻止するために一輝は果敢に立ち向かう。
 途中魔導潜水艦で水中モンスターとの水中戦が展開されて、この展開大好きなんだけど、結局、一輝の思い人久遠は何のために「緑の太洋」に派遣されたのかよく分からないなあ。これ、作者の暴走感がすごいなあw
 あと、「星刻の徒」に対抗する「光の使徒」がどんな存在かもよく分からないままだったなあ。


 東京が黒い霧に覆われて臨時政府が組織されていて、それに対して「議員も役人も、一番頭のいいひとたちが霞ヶ関にいました。残りカスに過度な期待をしてはいけません」なんてセリフがあるけど、昨今のコロナ対応を見ると「残りカス」じゃない連中も期待できなかったな。