川口士『星図詠のリーナ 2』

 新たにタヴァストの地図調製の命をを受けたリーナは、侍女サラ、傭兵で護衛のダールを伴って赴く。そこは、師ヴァルテマルが治めている都市で、再会を楽しみにしていたリーナ。
 しかし、現地では、火山で壊滅したミヤルの街からの難民で混乱し、その中でヴァルテマルは急死。そこから、エルフとの交易も途絶えるという窮状にあった。その状況を打開するべく、師の遺した資料を基に奔走するリーナ。しかし、手がかりは掴めず、時間ばかりかかり、その間に情勢は悪化していく。
 しかし、やっとの事で手がかりを掴んだところで、領主が雇った騎士が反乱を起こし…


 作中世界の描写を丁寧にやっているのは良いことだけど、ちょっとバトル展開が後半に詰め込まれすぎてバランス悪い感じがする。ここいらが、シリーズとして長続きしなかった要因なのかな。


 「巫女」の少女の言葉を介して、リーナとダールが竜との因縁を持つことが明らかになる。続けば、なかなか壮大な物語ができたと思うのだが。
 しかし、腐肉を食べないと、体が腐るってなかなかエグい竜だな。ダールに憑いたホルプは、まだ質が良い方だったのかね。そして、竜に憑かれた男は、物語で描かれる竜の姿を再現し、高名な騎士に討たれようと目論見、タヴァストの街を起点に混乱をばらまこうとするが。


 そして、新たにビクラートで海図作成技術を学びに行く任務を与えられ、姉と伴に海の国に向かうことになる。