月夜涙『回復術士のやり直し:即死魔法とスキルコピーの超越ヒール 3』

 ここいらが、一番ケヤルガが壊れている感じだよなあ。復讐のネタのために友人を作るみたいな倒錯感満載の思考をしている。これ以降だと、忙しくなって、変なことを考える暇がなくなるけど。


 人間と魔族が共存する街ブラニッカを訪れるケヤルガ一行。人間が血液=魔力、文化を提供する一方で、魔族は技術や魔術を提供することで共存共栄する都市。だからこそ、魔族殲滅を掲げるジオラル王国にとっては都合が悪い。フレア王女の妹、ノルンはブラニッカの制圧と洗脳による逆宣伝を目論む。
 しかし、軍師としてケヤルガも恐れる彼女の作戦は、ケヤルガとその一行が潜伏しているというイレギュラー要素によって破綻していく。毒を盛られて、プロパガンダを喰らって、本陣に潜入、指揮官拉致とかされたらそりゃ負けるよな。
 かくして、ノルン王女はケヤルガの「妹」エレンとなる。


 他方、一周目の世界で魔王だった、現魔王に狙われている少女イヴ・リースを保護して、恋愛ごっこを仕掛けてみたり。あるいは、ノルン王女の軍勢についてきた「剣」の勇者をハニートラップで「復讐」したり。
 ブレッドはともかくとして、剣の勇者があっさり始末されたのは「復讐ポイント」が少なかったからか。フレア・ノルンの姉妹は「復讐ポイント」が高まりすぎて、出番が増えた。