蝸牛くも『ゴブリンスレイヤー 12』

 短編集。
 男性陣と女性陣が分れて冒険。一方、居残り組は、普通に日常生活を営む。そんななか、やっぱり大きな陰謀が動いていて…


 第一章は女神官ちゃんの同期の新米剣士改め棍棒戦士、見習いが外れた聖女、新加入の白兎猟兵の3人でゴブリン退治の仕事を受けたら、帰りにワイバーンに襲われたお話。なんとか洞窟に逃げ込んだが待ち伏せされてピンチ。とうてい倒せないから、目潰しを仕掛けて脱出。なかなか無謀な行為を。


 第二章は女性陣の冒険。男性陣が別の所用で出かけたため、エルフ、女神官、女騎士、魔女の女性四人で商人の護衛を引き受けたら、輸送先で大規模なスケルトンとワイバーンの襲撃を受ける。兵士たちに混じって戦う一同。そこに、怪しげな怪物ペリュトンがが現れる。
 神官ちゃんが、謎かけ勝負を仕掛けて、正体を暴くところが成長したなあ。


 第三章は、ここしばらく頻出のローグのランナーたち。
 もぐりの薬物密売人の暗殺を受けたランナーたち。しかし、乗り込んでみると、すでに殺害されていた。そして、女衛士に追いかけられるはめに。実際には、もぐりの薬物密売の黒幕が、その女衛士で…
 「行方不明者」がどうなったのかがエグい。


 第四章は居残り組の牛飼い娘や受付嬢の話。冬に備えてセーターの新調で編み物。その間に、ショコラトルを飲んだり。


 第五章は、重戦士、槍使い、ゴブリンスレイヤーの冒険。廃墟となった都市で行われる邪教の儀式を潰す任務。地下水脈を水中呼吸の指輪で突破。船で移動しながら、生け贄を救い出し、最後は目玉の化け物と混沌の尖兵と対決。
 目玉のディスインテグレートが「痛い」くらいで済む重戦士がすごいw


 最後は、いろいろな断片が寄り集まって、勇者のバトル、と。
 多くの人間を生け贄にして世界を渡ろうとする死人の王。それが各地でうごめく陰謀の黒幕だった。多くの冒険者を投入した陽動作戦の末、戦力が低下した本拠地を突破。死人の王と直接対決。勇者パーティのバトルを描写するの、なにげに初めてなんじゃ。