ざっぽん『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 8』

 また、キッチキチのが出てきたな。
 シンの加護を得て、勇者の加護の衝動を逃れたルーティの代わりに、デミス神は新たな勇者を誕生させる。滅びたフランベルク王国の王子で、国外の修道院に預けられて生き延びた。そこで、勇者の加護を与えられ、完全に狂信者となった人物。世界のすべてのものが勇者の加護のため、魔王を滅ぼすという使命のために消費されて然るべきという思考の持ち主。完璧にレッドたちと相容れない人物だが…
 俗物リュブ枢機卿が後援しているけど、これ、俗物には御しきれない奴だ…


 4巻、アレスとの戦いで重症を受けたパーティ仲間、格闘家ダナンが回復。ゾルタンから旅立つということで、レッドとの手合わせを所望。ついでに、平和で鈍ってるからと、みんなで特訓合宿をすることに。相互理解のためのバトルというのが、いかにも暑苦しくて良いw
 そして、手合わせで互いの秘術を尽くして、満足して解散しようとしたところで、アルベールと遭遇。現在は仮面の傭兵エスカラータを名乗るテオドラの使いとしてやって来て、新たな「勇者」の登場と、彼らがゾルタンに放置されている魔王の船を入手しようとやって来ると知らされる。
 レッドとルーティ、リットは、直接接触を避けて、しばらくリゾート村でバカンスという体で隠れることにする。リゾート地でも、今までいなかったモンスターが出てきて退治したり、病人の治療をしたり、あんまりゆっくり過ごせない面々w


 一方、ゾルタンでは、勇者ヴァンがゾルタンの人々を「怠惰」と断じ、その信念「『勇者』があらわれたら、人々は共に戦って死ななければなりません」にしたがって、マジックアイテムで人々を戦争に駆り立てる暴挙に出ようとする。
 それを防ごうとしたヤンドララとダナンに刃を向ける勇者。さらに、マジックアイテム「妖精の盾」を取り返しに現れた塩竜が乱入。そこに駆けつけたレッドは盾を奪い、勇者と塩竜をゾルタンから引き離し、塩竜に盾を返して帰らせ、勇者相手に時間を稼ぐ。最後はルーティが一撃ぶん殴り、ヴァンを倒すことに成功する。


 この敗北でヴァンがゾルタンを離れることを期待するルーティだったが、逆にヴァンは彼女に執着を見せるようになり…
 1巻からレッドやリットたちとゾルタンの人々の生き様を見てきた読者からすると、まったく価値を認めないヴァンの思考も、田舎と軽視するリュブ枢機卿の態度も受け入れられるものではないが、これからどうなる。